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Ep8.涙の最終回 労働と絆への対価

【86日目】

一日飛んで86日目。

フェスティバルの追加費用と生活費(合計$1,090.75)を差し引くと現在グレンの所持金は$7,963.68です。このお金を使って、レストラン開店に必要な食材や備品、オープニングスタッフを準備します。

ここからの4日間、グレンは今後Underdog Barbecueを経営していくメンバーを選出します。

まず、レストランについてはフェスティバルの時よりももっと計画性を持って仕事をする必要があります。グレンは幾度となく在庫管理に失敗し、周りの助言に聞く耳を持たなかったクリスティーヌと今後の話をします。グレンはクリスティーヌをクビにするつもりはなかった(おそらくなんらかの形でパートナーシップを結ぶつもりだった)が、重要な役割を外され自尊心が傷つき、クビにされたと思ったクリスティーヌは自らチームを去ります。


【87日目】

ビール部門を任されていたマットが地元のクラフトビールの各醸造所からお店に置くビールを手配します。そして、お店のオリジナルビールであるUNDERGROGも完成させます。

Underdog Barbecueの使命の一つが「地元のビジネスを支援すること」です。地元の醸造所のクラフトビールを仕入れ、販売することで貢献できます。オリジナルビールのUNDERGROGは全国展開できれば100万ドル規模の企業に育つ可能性があります。

また、この日、フェスティバルで大活躍したアシュリーを厨房の責任者として、コンテストで優勝に導いてくれたマイクを料理人として正式に採用します。この采配についてグレンは「フェスティバルの間に正解が見つかった。有能な人材は自ずと頭角を現すものだ。」と言います。結果を見ると、元々正式に採用していたクリスティーヌはチームを去り、面接で落とした二人が正式にチームに加わってレストランを運営していくことになりました。

ぬまた
ぬまた

一度不採用にした二人をチームの要として採用し直すというのはなかなかできることではありません。一度相手を自分の求めている人材じゃないと判断してしまうと、普通はそこで縁が切れてしまうものです。グレンには知り合った人と緩やかに縁を保つ才能があります。有能な人材が周りに集まる人というのは、人との縁を大事にし、適切な距離感で関係を保つことができる人なのでしょう。


【88日目】

レストランの開業まで残り二日。

家具を運び入れるなどして、着々と準備を進めます。


【89日目】

レストラン開店前日。ついにグレンはチームのメンバーに「私はグレン・ブライアントではない、グレン・スターンズという200億ドル規模の会社を売却したこともある起業家だ。」と自分の正体を明かします。

チームのメンバーはグレンの告白に驚いたものの全てを受け入れ、億万長者が自分たちを認めチームのメンバーとして求められていたこの現実に喜びます。


【90日目】

この日、地元企業の評価担当者のリチャードにUnderdog Barbecueの企業評価を依頼します。彼にこの企業が100万ドル以上の価値があると評価されれば、グレンの挑戦は成功です。もし失敗したらグレンが自腹で100万ドルをUnderdog Barbecueに出資します。

Underdog Barbecueには主に三つの収入源があります。それは「レストランの売り上げ」「オリジナルビールの全国展開」「ソースやスパイス、関連グッズなどのネット販売」です。事業の収入源やコンテストでの優勝経歴、レストランの内装や保有する家具など様々な観点から企業価値が評価されます。

評価を行うにしても、売り上げがどの程度のものかわからないため、店のオープンにリチャードを招待し、その後企業評価を行ってもらうことにします。

ぬまた
ぬまた

人物の評価も含め、こういった社会的評価は「過去の実績(どの程度の売り上げ実績があるかや、コンテストの受賞歴など)」と「現在の状況(キャッシュや資産状況)」と「未来の計画(レストランの売り上げ、ビールやグッズの全国販売など)」の三つの軸で評価が行われます。ゴール達成するのに過去は一切関係ないとは言え、過去の実績や現在の状況を粗末にしてはいけません。社会的評価が必要なゴールの場合、過去の実績や現在の状況はゴールの達成に影響を与えます。もちろん実績がないならこれから作れば良いだけです。社会的に評価される実績がない場合は、まず社会的評価の影響を受けないフェアな空間で黙々と実績を作り、現在の状況を整えましょう。別に何かで賞を取ったり、大きなことを成し遂げる必要はありません。「なんらかの社会的価値を提供できる力がある」ということを社会に証明できれば良いだけです。過去の実績はどんどん遠のいていく一方であり、現在が時間が経って実績となります。現在を大事に生き、実績を積み上げていくと徐々にゴルの達成に必要な社会的評価がついてきます。


【91日目】

レストランオープン初日、お店は大盛況で、厨房やスタッフは大忙しで混乱していたものの、大きな問題はなくレストランの開業を成功させます。

リチャードにも食事を楽しんでもらい、後日企業評価を行ってもらいます。


【91日目】

グレンは、クリ・ストロット、ドーン、マット、RJは今後のUnderdog Barbecueを引っ張っていく存在だと信じ、彼らに報酬と今後の役割を与えます。

クリス・トロットにはこれまでの貢献報酬$20,000を渡し、さらにアンダードッグ起業家基金の理事として起業家支援を行ってもらうことにしました。ドーンには貢献報酬$25,000を渡し、クリス・トロットと同様に起業家基金の理事として活動してもらうことになりました。グレンの右腕として常にグレンをサポートしていたマットには貢献報酬$20,000と会社の株10%を渡し、オリジナルビールのUNDERGROGの責任者及び会社のオーナーとして今後も活動してもらいます。誰よりもこのプロジェクトに時間を割いて協力してくれたRJには貢献報酬$25,000と会社の株10%を渡し、Underdog Barbecueの取締役及び会社のオーナーとしてチームを引っ張っていってもらうことになりました。


【92日目】

企業評価担当者のリチャードと企業評価額の話をします。現在の会社のキャッシュと物的資産を聞かれますが、それらはほとんどありません。しかし、今後フランチャイジを立ち上げネット通販なども展開するとしたらかなりの額を見込めると言います。ただ、現時点では実際の営業成績は極めて小規模なサンプルしかなく評価が難しいと言います。

それらを踏まえた上でUnderdog Barbecueの企業評価額は$750,000.00とのことです。惜しくも100万ドル企業には手が届かなかったものの、今後の営業成績次第では100万ドルを優に超える企業の立ち上げに成功したようです。

チャレンジに失敗したグレンは、Underdog Barbecueに100万ドル出資します。それによって100万ドルのキャッシュを踏まえての企業評価額は$1,750,000以上となりました。

最後にグレンは「アメリカンドリームはいつでも誰にでも実現可能です。人材と努力、そして洞察力と立ち直る力さえあれば、自分の夢のためにリスクを取ることができるはずです。自らを向上させ、チームと協力すればアメリカンドリームは実現可能なのです。」と言い、グレンのチャレンジは終了します。

ぬまた
ぬまた

動画では語られていませんが、もしかしたら、「会社のストーリーが今後ディスカバリーチャンネルで放送され、今後この会社が世界的に宣伝されること」なども織り込まれた上での評価額かもしれません。もし、この宣伝部分で評価額が上乗せされていたとしたら、それを踏まえていない場合の企業価値はもっと低いかもしれません。グランが正体を隠してお金やコネをほとんど使わず会社の設立まで漕ぎ着けたのはおそらく事実でしょうが、企業価値については多少下駄を履いた評価額だろうという現実的な視点は持っておきましょう。

とは言え、グレンのような起業家特有の高いエフィカシーがない人がもしこの挑戦を行えば、途中で挫折し、番組が成り立たなかったのは間違いありません。上手なマインドの使い方を身につけている人は、多少状況が悪いくらいでは自力ですぐに這い上がってきます。マインドを上手く使いこなせない人でも運よくなんらかの成功を収めることはありますが、その成功に再現性はありません。運ではなく自力で何度でも成功を掴めるようになるには、まずグレンのように正しいマインドの使い方を身につける必要があるでしょう。そしてそのマインドは誰にでも身につけることが可能です。

Underdog Barbecueのホームページを載せておきます。興味のある方はご確認ください。

UNDERDOG BBQ

次の記事に『Ep9.【ビジネス格言集】正体を隠して1億円を稼ぐ大富豪「11」のビジネス金言』について私の考察を載せますがそちらは限定公開とします。限定記事「お金のゴールを達成する方法は、パーソナルコーチングもしくはスキャルピングトレードコンサル×パーソナルコーチングを受けられた方限定に公開しています。興味のある方はお問い合わせください。

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