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何らかの問題に直面すると、大抵の場合はその問題について真剣に悩みます。問題にフォーカスを当ててどうにか解決の糸口を探そうと一生懸命に悩むのですが、悩めば悩むほど泥沼にハマっていくと言うこともあるでしょう。

問題を解決するときは、悩めば良いと言うものではありません。もちろん沢山悩んだら解決したと言うこともあるかもしれませんが、それは沢山悩んだから解決したのではなく、時間が解決してくれた可能性の方が高いです。

問題に直面したときは、基本的にその問題をフォーカスしてはいけません。問題にピントを合わせてしっかり分析しがちですが、問題そのものの輪郭をはっきりさせても問題の解決方法が見つかるとは限らないのです。

問題の解決方法を探すときは逆に問題にフォーカスすることをやめ、ズームアウトし、問題を取り巻いている全体にピントを合わせます。要は俯瞰的に見るということです。

問題そのものを見るというよりは、問題を取り巻いている全体の“流れ”を見ることです。例えば、太り過ぎという問題を抱えている時、脂肪吸引するのではなく、生活習慣を見直すといった感じ。どこの病院で脂肪を取り除こうかと考えるのではなく、これ以上脂肪が増えないように(できれば脂肪が減っていくように)生活習慣を改めるべきだということです。

表出する問題はそれ自体が悪いわけではなく、悪い状態を示すサインであることが殆どです。問題と思われているこの表出した現象は「これ以上現状維持を続けているともっと状況が悪くなるから今すぐ現状を変えろ」とサインを送っているのです。

このサインを無視して問題だけ排除しようとするのは、風邪を引いたときに解熱剤で無理やり体温を下げて通勤するようなものです。熱が出て具合が悪いのにはそれなりの理由があります。高熱というサインを消したところで体の中にいるウイルスが消えるわけではありません。

問題そのものにフォーカスしても意味がないということが何と無くわかったかと思います。では問題を取り巻いている全体の“流れ”とはなんなのでしょうか?


この“流れ”を作り出しているものが一体何かと言うとホメオスタシスです。ホメオスタシスはゴール(コンフォートゾーン)に向かって働く引力のようなものです。この引力によって“流れ”が生じます。

そして、その“流れ”に逆らおうとすると詰まりが生じ、それが問題として表出します。

まず、ホメオスタシスの“流れ”に逆らって生きていないかを確認しましょう。流れに沿って生きるだけで詰まり(問題)は解消されるかもしれません。

それでも解決できないのであれば、“流れ”そのものを改善する必要があります。“流れ”そのものを改善するには“流れ”を作り出している引力(ホメオスタシス)を変えること、つまりゴールを更新することです。

問題を抜本的に解決するには今持っているゴールを変えてしまえば良いということです。ゴールが変われば今現在の評価関数も変わります。つまり、その瞬間から“流れ”の向きが変わります。

「冷えは万病のもと」と言われるのは、冷えによって血管が収縮して血液の流れが悪くなることに起因します。血液の流れが悪くなれば病気が現れるということは昔から言われていることです。

血液の流れに限らず、情報レベルでも悪い“流れ”は病気(問題)を作りだします。

ゴールを更新し、流れを改善しましょう。ホメオスタシスの引力が作り出す“流れ”に沿って生きている(完全want toで生きている)のに問題が生じるということはゴールが古くなっているサインです。サインを無視してはいけません。

なぜ「ピンチはチャンス」という言葉があるのか考えてみてください。ピンチになった時(問題が起きた時)、それはゴールを更新して自我を書き換える丁度良いチャンス(タイミング)なのです。

コーチング理論をしっかり理解し、正しいセルフコーチングができているなら、心から「ピンチはチャンス」と言えるようになるかと思います。

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